学芸員 メディア 役割

メディアとしての学芸員の役割

メディア=媒体

 

美術館や博物館で、作品や資料といった「もの」と来館者を繋ぐ場を創りだす学芸員は、さまざまな「もの」と人を媒介する役割を持つ、すなわちメディアともいえるでしょう。

 

学芸員という仕事自体が、まだ一般的にはメジャーではないといった一面も否定は出来ません。しかし学芸員の仕事が面白みに溢れており、また社会的にも重要だという認識が少しずつではありますが、世の中に浸透してきているとも捉えることができます。

 

最近では、物質的な充足感を求めるだけでなく、ここ日本においても精神的な満足感を追求し、充実した生活スタイルを目指そうという人達が増えてきています。こういった社会の現象が美術品や歴史資料といった文化財への関心の高まりにも繋がっているのでしょう。

 

このような社会背景の中で、美術品や歴史資料といった文化財と来館者の間に立って、ものと人の世話をする学芸員の仕事の存在が注目されてきたというのが実情だといえます。

 

美術館・博物館もメディア?

 

近年、美術館や博物館は貴重なものを保管し展示するだけの施設ではなくなってきています。利用者側はもちろん展示を楽しみにして施設を訪れるが、美術や歴史に関する情報を手にする場としても捉えています。

 

つまり収集したものを展示するベースは残しつつも、ものに関わる豊富な情報の発信源としても機能することが求められているといえるでしょう。現代では、美術館や博物館の存在そのものが情報の発信地として「メディア化」しているのです。

 

美術館や博物館そのものがメディアとして機能している今日において、学芸員は情報の伝達者、すなわち媒介者=メディアとしての重要な役割を担っているともいえるでしょう。学芸員は研究や調査を通じてさまざまなものから自ら情報を知るだけでなく、こうした情報を一般の人々に対して発信していかなければならないのです。

 

ものから受信したさまざまな意味や世界観を展覧会や論文を通して、世間に伝えていくことが大切です。ものに対して愛情を持ちこだわりを大切にしながらも、ものが持っている内に秘めてた情報を世間に発信していく場を作っていくということを考えれば、メディアと解釈しても誰も疑わないでしょう。

 

美術館・博物館と学芸員の関係は、しばしばコンピュータとソフトウェアを用いて例えられます。美術館や博物館の建物や保管・収集されているものは、コンピュータのハードウェア、つまり本体である。しかしハードウェアはソフトがなければ充分な機能を発揮することはできません。

 

同じように、美術館も博物館もそれを機能させるソフトウェア=学芸員の存在がいなければ「ただの箱」にしか過ぎず、その社会的役割を発揮することができないのです。

 

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