学芸員 創造性

学芸員に求められる2つの創造性

学芸員とは、英語でcurator=世話をする人と訳され、美術館や博物館といった施設で、研究・調査・保存・展示・教育などの活動を通してさまざまなものや人のお世話することが仕事になります。

 

このような世話をする活動は、美術館や博物館を運営していくうえで土台となるものですが、その一つひとつは地道な作業だといえるでしょう。これは学芸員に限らず、どんな仕事にも共通していえることではあるが、仕事には必ずこうした地道な一面はつきものになります。

 

しかしこうした地道な活動を基本としながらも、全体として見ていくと、その仕事の一部に独特の創造的な部分が含まれているのも事実です。ここでは、学芸員の仕事における創造的な部分に焦点を当てて解説をしていこうと思います。

 

情報を提示するという創造性

 

学芸員はすでに何らかの方法で制作された「もの」やすでに存在している「もの」を用いて、創造的な仕事をしていくことが求められます。これは作家に求められるような創造性とは異なり、作家は無のもの、またはあるものの断片を切り取り、それぞれにふさわしい技術や独自の感性を吹き込み、まったく新しい作品を制作していきます。

 

学芸員の場合は、すでに存在している美術作品や出土品、古文書の意味や意義への深い理解と見識に支えられた創造性になります。そのものに新しい意味を発見し、それを論文にして発表したり、展覧会で一般の人々にも理解できる形で提示していくのです。

 

つまり、新しい価値観やものの見方といった情報を、周りの人間にも共有できるように提示するという独創性が求められるのです。

 

場を演出するという創造性

 

学芸員のさまざまな仕事は、総合的に見た場合、一つの特別な場を演出しているとも言えます。いかに優れた美術作品や歴史資料であっても、それがしかるべき場所で、しかるべき配慮を持って公開されなければ、世の中の多くの人に伝えることは難しいでしょう。

 

貴重な「もの」の価値をたくさんの人にきちんとした理解を持って認識してもらうために、学芸員はその「もの」にふさわしい場をつくり演出するのが大きな役割であり、これが仕事の醍醐味にもなります。

 

作品や資料と来館者を繋ぐ架け橋にならなければならず、このような部分に学芸員の仕事の極めて創造的な部分を見ることができます。作品にとっても来館者にとっても有意義な場を作り出すために、作品や資料といったものに対する深い見識と愛情は欠かせないでしょう。

 

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